連載【ECビジネス入門塾⑬】 独自性と販売技術がヒット商品を生みだす

 コロナ禍の通販需要の拡大に伴い、ECに参入する企業は非常に多い。ただ、安定して売上を維持できるケースは稀。ヒット商品を生み出せる企業は、ほんのひと握りだ。競業が多い中で、ECで成功するために必要な心構えとは?通販コンサル歴28年の㈱真柄商品研究所代表の真柄一哉氏に話を聞いた。

 

 ECの参入企業は増えたが、成功した企業のHPLPを真似するだけで商品が売れると安易に考えてはいけない。模倣である程度、勝負できるケースは、市場が伸びている時に限る。トレンド商品の販売手法、クリエイティブを真似すれば、一時的に売上を確保することはできる。例えば、ひと昔前、ダイエット市場で豆乳クッキーが流行った。それまでダイエット飲料は沢山あったが、食べるお菓子系商品はほとんどなかった。豆乳の健康イメージも合わさり、当時のトップ企業は約100億円を売り上げた。メディアでも盛んに取り上げられると、世の中には模倣品が溢れた。模倣品でありながら20億円位は売り上げるものもあった。

 

 参入企業が増えると、どうしても企業間での売上の食い合いになる。そうなると、広告単価、CPO(新規顧客獲得単価)が跳ね上がり、いくら広告を打っても成果がでなくなる。もし模倣品で20億円の売上を作って、バイアウトするならそれでも良いだろう。だが、そこから飽和している市場を勝ち抜くには商品の独自性が必要だ。豆乳クッキーの次は、果肉入りの即席デザートベースが流行った。青汁の次は、若年層向けのフルーツ青汁が売れた。ほんの少し切り口を変えてやれば、新たな市場は意外と作り出せるものだ。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1749号(2022.10.5)で
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