クロレラ、マウス骨髄由来樹状細胞を増強

 「クロレラ・機能性植物研究会」の研究集会が9月10日、京都経済センターで開催され、乳酸菌増殖や免疫賦活作用のほか、動物実験による樹状細胞増強など、クロレラの新知見発表が相次いで行われた。健食市場を代表する機能性素材として長年利用されているクロレラは、フェムケア、デトックス機能に注目が集まるほか、プラントベース、植物性プロテインとしても新たな市場開拓が進んでいる。今回発表した研究者らにより、クロレラのエビデンスがさらに拡充、微細藻類への注目が世界的に高まる中、クロレラのポテンシャルの大きさを示す研究会となった。

 

 研究集会は今回で4回目。大会長講演、教育講演、一般演題で構成され、研究者・学識者から業界関係者まで、現地およびZOOM参加で数多くの聴講者を集めた。クロレラ熱水抽出物(C.G.F)の乳酸菌活性、免疫賦活作用は、機能性植物研究所と東北大学の共同研究。「クロレラは様々な機能性が報告されているが、有効成分が同定された研究報告例がほとんどない」ことに着目、C.G.Fの各種活性を評価し、その活性成分の単離・同定を試みた。C.G.Fから非水溶性成分を除き、4つの画分に分画、乳酸菌増殖活性試験、抗原提示細胞での各種試験を実施した。乳酸菌増殖活性に関しては、Fr-1とFr-4の画分に活性が認められた。特にFr-1の活性が高く、「多糖類を含むタンパク質である可能性が示唆された」という。抗原提示細胞試験においてもFr-1がRAW246.7細胞やマウス骨髄由来樹状細胞、ヒトマクロファージ株のCD40発現レベルを増強し、サイトカイン産生を誘導することを見出した。

 

 研究グループでは、「C.G.Fから分画したFr-1は、乳酸菌の増殖活性が高く、抗原提示細胞において、トル様受容体(TLR)2を介して活性化することが明らかになった。免疫賦活能を有するとともに、プレバイオティクスとして働く可能性も示唆された」としている。つづく

 

 

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