連載【はじめての越境EC⑭】 〈フィリピン編〉 「美白」「敏感肌」コスメが人気

 フィリピンは人口約1億900万人、インターネットの普及率が高く、約8,800万人がモバイル端末を利用する。BtoCでのEC市場規模は約9,720億円で、年平均19.6%の成長を続け、2030年までには5 兆8,000億円に達すると予測される(Statista, 2020)。1人当たりGDPは約3,300ドルで、経済発展が続く中で20代、30代の若い世代を含め、積極的に消費する傾向が強く、中高価格帯の化粧品やサプリメントの販売が伸びている。フィリピンのECサイトは、他のASEAN諸国と同様、シンガポール発のShopee、アリババグループのLazadaの2強となっている。越境EC支援サービスを行う㈱オロによると、特に「Lazadaは独自の物流を構築しているため、日本国内の倉庫に納品することで、商品がスムーズに現地購入者の手元に届く」という。他のサイトを利用し自社で配送を手配する場合は、税関検査に時間を要する等で、配送が遅れることもあるという。

 

 SNSの利用が盛んであることもフィリピンのEC市場の特徴で、インターネットユーザーのSNS実利用率は93%。1人当たりの登録アカウント数は平均9.9となっている(Digital2020)。Facebookの利用率が最も高く(96%)、FB Messenger(89%)、Instagram(64%)が続く。フィリピンでは、経済成長と物価上昇が続く中で、積極的な消費傾向が見られる。フィリピン向け越境EC支援事業を行うEC PORT Sdn Bhd CEOの鹿島功敬氏によると、「中高価格帯の化粧品、サプリメントの販売が伸びており、3,000~7,000円の価格帯のものがよく売れている」という。フィリピンでは、日本ブランドの化粧品は品質への信頼が厚い。日差しが強いため、ビタミンCなどを配合した美白化粧品が売れ筋となっているほか、エイジングケア向けの美容クリームも人気だという。フィリピン都市部では大気汚染が深刻になっていることから、「敏感肌」「アレルギー体質」向けの洗顔料も人気商品となっている。つづく

 

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