【話題追跡】 小麦粉高騰、代替え素材〝米粉〟に商機

 食品値上げが相次いでいる。小麦粉・パンや食用油、缶詰、調味料、飲料、菓子などのメーカー各社は6月1日以降も続々値上げを実施、年内には1万789品目(6月1日現在)に到達するとの試算も出ている(帝国データバンク調べ)。なかでも世界的に懸念されているのが小麦原料の価格高騰。世界有数の小麦輸出国ウクライナでは、22年の小麦収穫量は前年比で4割以上減る見通しとなった。ロシア・ウクライナ情勢の悪化や円安の影響で、今後も価格上昇の公算が大きい。

 

 こうした中、小麦粉の代替として脚光を集めているのが、お米を細かく砕いて粉状にした「米粉」だ。農水省が昨年9月に発表した速報によると、令和3年度の米の相対取引価格は前年と比べて下落傾向に。共働き世帯の増加や生活習慣の変化による消費者の米離れ、コロナ禍における外食産業の需要減が背景にあり、米粉が小麦粉に変わる素材として注目を集めだした。米粉は、製菓・製パン、麺類など、小麦粉と同じ活用ができるため、メーカー各社では代替え素材として活用する動きを進めている。

 

 取材先からは、「今年2月から問い合わせが増えている。パンやお菓子、麺類など、米粉を使った開発を積極的に行いたいという問い合わせが多くなっている」という。これまで米粉はグルテンフリー食材として認知されてきた側面があり、アレルギー症状の出る人の体質改善を目的とした食事療法として浸透してきた。グルテンがもたらす健康上の問題は、「小麦アレルギー」「セリアック病」などが知られており、グルテンフリーの食事法は昨今、スポーツ選手やモデルが実践していることが紹介されている。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1742号(2022.6.15)で
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