特集【ストレスケア素材】 ストレス対策から睡眠の質向上まで、市場は急拡大

 「ストレス」「快眠」「疲労」領域の機能性表示食品は、従来トクホ型に次ぐ受理数に。累計受理数4,832品(4月20日現在)の約10%を占める。関与成分はGABA、乳酸菌、グリシン、テアニン、ラフマ由来ヒペロシド・ラフマ由来イソクエルシトリンなど。表示内容は、ストレスでは「一時的な精神的ストレスや疲労感の緩和」「一過性の作業にともなうストレスの軽減」、睡眠では「睡眠の質(眠りの深さ・起床時の睡眠に対する満足感)の向上」「起床時の疲労感や眠気の軽減」など。今年3月には、小野薬品ヘルスケアが「睡眠の質向上・眠気の軽減」領域の機能性表示食品(関与成分DHA、EPA、DAGE)を上市するなど、参入企業は後を絶たない。

 

 傾向としては、ストレス・快眠・疲労を組み合わせた機能性表示食品として受理されているケースが多い。商品形態は、サプリメント、飲料、チョコレート、のど飴から生鮮食品(メロン、トマト)まで。なお、乳酸菌を関与成分とした「ストレス緩和」「睡眠の質を高める」表示の筆頭は『Yakult1000』(ヤクルト本社)。昨年全国販売に踏み切った同商品は、1日当たりの販売本数が110万本(全国販売目標時)を超える大ヒット商品となっている。

 

 富士経済が4月に発表した調査結果によると、ストレス・睡眠サポートカテゴリーにおける保健機能食品の2021年の市場規模は365億円(前年比147.8%)。販売高の構成比は乳酸菌56.2 %、GABA21.1 %、グリシン12.9%と続く。2015年の機能性表示食品制度の開始以降、ヘルスクレームの表示が可能となったことから市場が急拡大、「その後も、外出自粛などのストレス対策で需要が高まった。2022年の市場規模は400億円を超える」と分析している。ストレス・睡眠サポート訴求のサプリメント・機能性表示食品がここ3年でマーケットサイズを拡大した背景には、「コロナウイルスの感染拡大」「フェムケア商品の開発活発化」がある。

 

 前者では、新型コロナの感染拡大に伴う外出自粛の長期化を背景に、生活リズムの乱れや在宅ストレスの増加で需要が高まった。感染対策商材とともに、抗ストレスサプリ・グッズを求める消費行動が加速した。コロナ禍においては、“コロナ鬱”と呼ばれる症状により、心療内科を受診する患者が急増し、TVニュースでも取り上げられた。巣ごもりストレス、将来への不安はもとより、「コロナへの感染に不安を抱える患者が増えた」(都内心療内科)としている。精神的衰弱に対して、「医薬品を避けるケースは多く、サプリメント外来で対応する診療内科も増えた」という。後者では、PMS、更年期対策、不妊・妊娠・産後ケア、育児など、女性が抱えるストレス対策素材として、フェムケアサプリメントでの引き合いが多いようだ。セクシャルヘルスの分野では、「大手化成品メーカーが、女性向けはもとより、男性向け(ED、早漏など)サプリメントでの商品化検討を進めている」という情報も。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1739号(2022.5.4)で
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