2018年7月11日
【殺菌乳酸菌】大手食品メーカーも続々と採用

健康維持の重要なカギを握るとして現在脚光を浴びている腸内フローラ。腸内フローラ改善に有効な食品の筆頭として注目されているのがビフィズス菌や乳酸菌だ。ここ数年は乳酸菌ブーム過熱で、市場は拡大の一途を辿っている。主に機能性ヨーグルトに代表される乳製品が市場を牽引しているが、サプリメントや健康食品に加え、菓子類、カップ麺などの加工品、納豆や豆腐といった食品、外食メニューにも“乳酸菌○億個配合”といった表示が散見されるようになり、使用用途が格段に広がっている。そんな爆発的な乳酸菌の普及に一役買ったのが殺菌乳酸菌(死菌)だ。配合する食品剤型を選ばないのが最大の特長で、あらゆる食品メーカーが採用を進めている。


■殺菌乳酸菌の認知拡大で各社供給増に

殺菌乳酸菌はその名の通り、生菌の乳酸菌を加熱殺菌処理して加工したもの。「乳酸菌=生きている」のイメージが強いが、食品における殺菌乳酸菌利用の歴史は古く、国内では1910年代に酸乳をベースにした殺菌乳酸菌飲料『カルピス』が登場。以来今日にいたるまでわれわれの生活になじみのある商品として身近な存在となっている。乳酸菌の殺菌処理については、細菌などの繁殖を抑制し、腐敗や風味を損なうのを防ぐのが目的の一つだが、乳酸菌の原料化の際にもメリットが。乳酸菌体のみを集菌して製剤化がおこなえるため、濃度が高い(菌体数の多い)原料をつくることが可能となっている。

しかし最大の特長は、食品製造時に工場汚染やコンタミネーションのリスクが低いという点。幅広い工場で取り扱い可能で、納豆菌のような他の菌類との組み合わせでも、菌そのものに影響を与えないため、配合食品を選ばない点が人気の要因となっている。また、商品化した後の品質保持についても、生菌の場合はチルド管理が必要となるが(粉末化したサプリ等は除く)、殺菌処理を行うことで常温管理、常温流通が可能になるメリットがある。

こうした理由から、近年殺菌乳酸菌やビフィズス菌へのニーズが急速に高まっている。原料サプライヤー各社では原料供給量が軒並み増加しているといい、前年比10~50%増と好調だ。各社原料もタイトになってきており、生産計画を上方修正するなど、供給体制の万全化に向け環境を整えている。


■殺菌乳酸菌の機能性 各社エビデンスの構築に注力

一方で肝心の機能性はというと、生菌同様、殺菌乳酸菌(死菌体)の有用性については100年以上も前から論じられている。マウスに加熱殺菌した乳酸菌を添加した餌を食べさせたところ8%寿命が延びたとの文献もあるなど、古くから殺菌乳酸菌の有効性については触れられている。近年では、殺菌乳酸菌を供給するサプライヤー各社が積極的に機能性研究に着手しており、腸内細菌叢の改善や便通改善をはじめ、内臓脂肪低減、アトピー性皮膚炎改善、インフルエンザ治療促進、抗ピロリ菌作用、潰瘍性大腸炎の改善作用、ニキビ改善、保湿作用、口腔環境改善など多岐にわたるエビデンスがマウス実験やヒト臨床試験で確認されている。

機能性表示食品では、アサヒ飲料が乳酸菌CP1563株を機能性関与成分にした『カラダ「カルピス」』(届出番号B20)で、「体脂肪を減らす機能がある(抜粋)」とする表示で受理され、積極的なプロモーションを図っている。現在、殺菌乳酸菌を関与成分とした機能性表示食品の届出を進めているメーカーも複数社あり、受理されれば殺菌乳酸菌の機能性の認知が進むとみられ、乳酸菌市場のさらなる拡大につながるとして注目が集まっている。


詳しくは健康産業新聞第1646号(2018.7.4)で
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